水道水の硬度についてお調べ中ですね。
「硬度って言葉は知ってるけど、何かわからない。。」と思っている人も多いと思います。
硬度とは、水に含まれるミネラル量を表した指標のこと。
硬度についてマスターすると、料理が美味しく作れるようになったり、体に合う水を選べるようになります。
そこでこの記事では、水道水の硬度について解説。水道水を使うときの注意点も詳しく解説するのでぜひ参考にしてください。
水道水を飲んでも硬度が気にならないなら『水道水がまずいっ!まずくなる6つの原因と今すぐできる対策をプロが解説』の記事もご覧ください。
- 水道水の味を改善する対策
- 水道水より美味しい水を飲む方法
以上の内容が気になる方は、ぜひとも参考にしてください。
目次
1.水道水の硬度とは?
硬度とは、水1リットルにどれくらいカルシウムやマグネシウムが含まれているかを表した数値です。
カルシウムとマグネシウムをたくさん含んでいたら硬水、あまり含んでいなかったら軟水です。
なので、「硬度が高いと硬水」で「硬度が低いと軟水」と覚えておきましょう。
また、WHOが定めた基準によると、
* 硬度120(mg/L)以上の水は硬水
* 硬度120(mg/L)未満の水は軟水
となっています。
日本の水道水は軟水が多い
もちろん、水道水にもカルシウムやマグネシウムが含まれています。
国や地域によって水に含まれる硬度は違いますが、日本で飲める水のほとんどは軟水です。
なぜ日本の水道水は軟水が多いのか知るためには、硬度が決まるメカニズムを知るのが大切です。
硬度は、地層で水がミネラルを吸収することで決まる
水は、地層からミネラル成分を徐々に吸収します。
雨が降ると水分は地面に染み込み、地下水として溜まっていきます。
このとき、長い年月をかけて地層からミネラルを吸収していくんです。
ゆっくりと時間をかけて地層内を移動すると、水はたくさんの成分を含んだ硬水になります。
なので、ヨーロッパや北米の大陸では、ミネラル分をたくさん含んだ硬水となりやすいです。
一方、日本のように狭くて高山地帯もない国土だと、地層内に留まる時間が短く、ミネラルをあまり含まない軟水となります。
2.水道水の硬度が高い場合における3つの注意点
水道水を使う上で注意しておくべきポイントは次の3つです。
・水道管が腐食する可能性。
・せっけんの泡立ちが悪くなる
・人によっては、お腹を壊すことがある
1つずつ順番に見ていきましょう。
2-1.水道管が腐食する可能性がある
硬度の低い軟水は、水道管を腐食させる可能性があります。
約100mg/L以下の水は水道管に対する腐食性を高めたりすることがあります。
トピック第2回 水の硬度|引用:東京都水道局
水道管の腐食が進むと、鉛やサビが水道水に溶け込んでしまうことがあります。
ただ、これはよっぽど古い水道管を使っている場合に限ります。
水道管は定期メンテナンスで交換されているのでそこまで気にする必要はありません。
基本的には、腐食が進む前に水道管の交換をすることになっていますが、心配な人は浄水器やウォータースタンドを使いましょう。
これらを使えば、水道水に含まれる有害物質を取り除くことができます。
なので、水道水の安全性が気になるという人は、浄水器やウォータースタンドを使うのがおすすめです。
詳しくは、『蛇口直結の浄水器を比較して分かった!おすすめはコレだ』や『ウォータースタンドってどうなの?コスパ好きな私が気に入っている5つの理由』の記事をご覧ください。
2-2.せっけんの泡立ちが悪くなることがある
硬度300mg/L以上の水道水を使うと、石鹸の泡立ちが悪くなることがあります。
これは、石鹸に含まれる汚れを分解する成分が水道水に含まれるミネラルと化学反応を起こして、別の物質になってしまうからです。
そのため、硬度が高すぎる水道水を使うと、泡立ちが悪くなってしまうことがあります。
日本で硬度300mg/L以上の水道水はほとんどないため、石鹸の泡立ちを気にする必要はありません。
もし、泡立ちにくいと感じる場合は、使っている洗剤を変えてみてください。
2-3.人によっては、お腹を壊すことがある
硬水を摂取することで、人によってはお腹がゆるくなったりお腹を壊したりすることがあります。
そのため、赤ちゃんや小さい子どもが飲む水には注意する必要があります。
水に含まれているミネラルは、体が水分を吸収する邪魔をします。そのため、せっかく摂った水分を外へ排出してしまい、下痢をひき起こす原因となってしまうからです。
ミネラルは栄養素の一つで体の働きには欠かせないものですが、とりすぎると体に悪影響を及ぼす恐れがあるので気をつけてください。
粉ミルクのメーカーによっては基本的に日本の水道水に合わせて粉ミルクを作っているからです。
もし、やむをえずミネラルウォーターによる粉ミルクの調乳をする場合は、水の硬度に気をつけて、できれば硬度60mg/L以下の水を利用してください。
3.【地域別】水道水の硬度一覧
日本国内の水道水は地域によって異なりますが、全国平均値は50~60mg/L。軟水や中程度の硬水です。
もし、自分が住んでいる地域の水道水の硬度が知りたい人は、ソフトウォータークラブの公式サイトを利用してみてください。
お住いの都道府県の硬度を知ることができます。
水道水の硬度を測定する方法
また、現在飲んでいる水道水の硬度を知りたかったら、硬度測定用キットを使ってみましょう。
水に紙を浸したり、プラスチック製の容器に水をとったり、薬品を使ったりして硬度を測っていくという方法で測定することができます。
値段は安いものから高いものまであるので、どれくらい正確に測りたいかに応じて購入しましょう。
まずは、手軽でリーズナブルなパックテストを使ってみるのがおすすめです。
4.硬度と食べ物の相性
おいしい料理にはおいしいお水が不可欠です。
料理によって、軟水が合う場合と硬水が合う場合があります。
軟水が合う料理
まず軟水に合う料理を紹介します。
軟水にはクセがないため、香りや風味を大切にした日本料理全般と相性がいいです。
炊飯
軟水を使ってお米を研ぎ炊くことで、ふっくら粘り気のあるおいしいご飯が炊き上がります。
硬水で炊いた場合は、水に含まれるカルシウムが食物繊維を硬化させてしまうため、炊き上がりも硬くなってしまいます。
和風だし
和食に使われる昆布やかつお節でとる風味を活かしたダシには、水分の浸透性に優れた軟水がおすすめです。
野菜の煮込み
浸透性の高い野菜で煮込むことで、野菜に水分がしっかりと染み込んで、やわらかく仕上げることができます。
緑茶
軟水は、無味無臭でクセもないため、旨味を楽しみたい緑茶には最適です。
硬水が合う料理
次に硬水が合う料理を紹介します。
牛肉の煮込み
西洋料理、とくに肉などを煮込む料理では、硬水が向いています。
硬水に含まれるミネラルと肉のタンパク質が結びつくことで、アクが良く出て、臭みを取り除き、肉にうまみ成分を閉じ込めることができるからです。
ただ、水の硬度が高すぎると、肉が硬くなってしまうので注意してください。
洋風だし、スープ
ミネラルが多く含まれている硬水で野菜を煮込むと、ミネラルがアミノ酸と結合してアクになります。
洋風だしや野菜スープなどでは旨味成分だけを残すことが可能です。
パエリア
硬水でご飯を炊くと、硬水に含まれるカルシウムがお米の繊維を硬化させるため、炊きあがったご飯も硬くなります。
パエリアやピラフ、カレーなどのように硬めのご飯が合う料理には硬水がおすすめです。
パスタ
パスタは硬水を使うと、カルシウムとでんぷんが結合し、麺にコシが生まれます。
このように、日本料理には軟水、ヨーロッパ料理には硬水と、その地域の水に合った料理が発展してきたことがわかります。
いまでは日本でも硬水も比較的簡単に手に入れることができるため、料理に合わせて水を使い分けてみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
水道水の硬度について解説しました。
硬度とは、水にどれくらいのカルシウムやマグネシウムが含まれているかを表わした指標です。
たくさん含まれていれば硬水、あまり含まれていなければ軟水だと覚えておきましょう。
「安全性が気になる!」という人は、浄水器やウォータースタンドを使うようにしましょう。